第4の治療法(終わり)

次に和田先生の考案した「8つの基本ルール」を説明します。

基本ルール① 「炭水化物は未精製のものを少々」・・・がん細胞は体内に取り込まれたブドウ糖をせっせとエネルギーに変えていきます。一気にブドウ糖に変化する白米や小麦粉を使用したパン、パスタなどの摂取はがん細胞を勢いづかせます。そこで登場するのが玄米、全粒粉パンです。血糖値の上昇も緩やかになり、がんを勢いづかせるインスリンの分泌量も少なくなります。あと、ビタミン、ミネラル、食物繊維なども豊富に含まれています。

基本ルール② 「塩分の摂取を控えめに」・・・無塩に近い食事を続けた結果、尿pHがほぼアルカリ性に維持され、がんがおとなしくなったことが確認されれば、少しずつ摂取量を増やしてもいいです。それでも尿pHが改善されない場合、カリウムを多く含む野菜、果物を増やします。それでもアルカリ化してこない時には重曹の服用が効果的です。

基本ルール③ 「たんぱく質は植物性のものや青魚から」・・・肉などの動物性たんぱく質は尿pHが大きく酸性に傾きます。イワシ、サンマ、サバなどの青魚も酸性に傾きますが、DHAやEPAなどの必須脂肪酸が多く含まれます。酸性に傾いた尿pHをアルカリ性に戻すべく、相当量の野菜、果物を取ればいいでしょう。

基本ルール④ 「野菜、果物、きのこ類をたっぷりと」・・・和田先生のクリニックでは1日につき400gほど摂るように指導しているそうです。野菜や果物は熱を加えると有効成分が分解するため、生のまま食べる事をおすすめします。きのこ類は免疫力を高めるβグルカンが非常に多く含まれるので出来るだけ多く取るようにします。

基本ルール⑤ 「脂質はω‐3系かω‐9系を」・・・えごま油、亜麻仁油などω‐3系と呼ばれる不飽和脂肪酸はがん細胞が増殖する環境を改善する作用がありますが、熱に弱いためドレッシングに最適です。加熱料理の場合は熱に強いオリーブオイルや椿油などのω‐9系の油を使いましょう。

基本ルール⑥ 「乳製品を摂らない」・・・牛乳に多く含まれるIGF-1(インスリン様成長因子)は正常細胞だけでなく、がん細胞の分裂や成長も著しく促進します。牛乳から作られるヨーグルト、バター、チーズなどの乳製品をやめましょう。和田先生の診療経験から、とくに女性の患者さんはかなりの頻度で甘い洋菓子が好きだそうです。中でも「生クリームがたっぷりと乗った甘いケーキ」はIGF-1とブドウ糖がダブルパンチでがんを勢いづかせる最悪の食べ物です。

基本ルール⑦ 「人工油の摂取はご法度」・・・硬化植物油などの人工油(マーガリンやファットスプレッドやショートニングなど)を作る際に発生するトランス脂肪酸は、がんの発症や増殖を引き起こします。

基本ルール⑧ 「梅エキスを取り入れる」・・・梅肉にはトリテルペノイドと呼ばれる物質を多く含み、抗がん、抗酸化、抗炎症などの生理活性作用があり、中でもウルソール酸にはがん細胞の増殖を抑える作用があります。ただ梅干しには塩分が多いため、効果的な方法として和田先生がおすすめするのは梅エキスです。かなり酸っぱいものらしいですが、十分な効果を得るためには、最低でも1日あたりスプーン1杯から2杯の量を摂取する必要があるそうです。

以上、「からすま和田クリニック」での和田洋巳先生の治療法を紹介しました。だいぶ端折りましたが、詳しく知りたい方は「がんを生き抜く最強ごはん」をお読み下さいね。

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