和田洋巳さんが京都大学呼吸器外科教授を退官後に「からすま和田クリニック」を開設し、現在の治療に辿り着くまでの経緯が非常に興味深いです。
教授時代に標準がん治療である「手術」「放射線治療」「抗がん剤治療」で2000例を超える肺がんを診てきたそうですが、どんなに完璧と思える手術を実施したとしても約4割の患者さんで必ず再発が起きたそうです。再発予防の抗がん剤でもしかり。
抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常細胞も同じように殺傷するので副作用も強く治療を始めて間もなく副作用死する患者さんもいて、仮に抗がん剤治療に耐え抜き、がんが縮小したとしても多くの場合、がんが抗がん剤に対して耐性を持ち始め、最終的には猛烈な勢いでリバウンドするそうです(逆に前よりも大きくなる)。そして患者さんの体力や気力が無くなるまで抗がん剤の種類を変えた治療が続けられるそうです。使用できる抗がん剤が尽きたところで、最終的に緩和ケアを紹介するこのような治療のあり方には大きな疑問を感じていたそう。
そんな中、和田先生に大きな転換点となる出来事が起こるのです。(続く)